高血圧症には早期治療を!
2019年4月に高血圧症ガイドラインが5年ぶりに改定され、降圧目標が引き下げられることとなりました。
降圧目標(診察室血圧)
対象 | 目標数値 |
---|---|
75歳未満の人 糖尿病・CKD患者(尿蛋白陽性) |
130/80mmHg未満 |
75歳以上の高齢者 | 140/90mmHg未満 |
75歳以上の方で他疾患を合併している場合は、可能な限り130/80mmHgを目標値とすることとなりました。
また、高血圧の治療には生活習慣の改善が不可欠であり、治療にかかわる医師や保健師が患者様やご家族と綿密に情報交換をして降圧目標に到達するための具体的な治療計画を設定・共有する事が重要であると提言しています。
高血圧症の高リスク群
- 喫煙者
- アルコールを多量摂取する人
- 塩分を多量摂取する傾向にある人
- 精神的ストレス(職場・ご家庭)が高い人
- 肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病の患者様
- 日常生活で身体を動かさない人
- 心拍数の多い人
診断されにくい仮面高血圧
高血圧はサイレントキラーと呼ばれ自覚症状がほとんど表れません。
また健診時や病院で測定した血圧は正常でも、早朝や夜間、あるいは職場(昼間)に高血圧を示すことがあり、「仮面高血圧」と呼びます。
この「仮面高血圧」は正常血圧の方や、すでに治療を受けている高血圧の患者様と比べて、臓器障害や心血管イベントの発生率が高いことが分かっています。
まずはご自身で自宅の家庭血圧を測定することから始め、目標値より血圧が高い場合は塩分制限及び生活習慣を改善していく事が、今後の疾病予防に非常に重要です。
食生活を見直す
高血圧症の有無に限らず、日本人は塩分を摂りすぎている傾向があるので、まずは減塩を心がけたいものです。塩分の排泄を助けるために、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルを積極的に摂ることが有効です。
- カリウム・・・野菜、果物、海藻、豆類
- マグネシウム・・・海藻、ナッツ類
- カルシウム・・・牛乳、小魚類
血糖値が高い方、腎臓病の方は個別に栄養指導が必要です。
食事、運動療法をして薬物療法を行いますので、1人で悩まずに是非早目にご相談ください。